神戸元町リリーフ整体院

投稿

お電話 ネット予約
体の知識

体の知識(27) 手の障害その2 手の変形

2020/08/27

こんにちは。

神戸元町リリーフ整体院です。

今日は久しぶりにまた座学を再開していきたいと思います。

前回は手根管症候群について話をしました。

手根管症候群は正中神経の障害です。

手には正中神経の他にも橈骨神経、尺骨神経が通っています。

今回はこれらの神経が障害された時に起きる症状を説明していきましょう。

 

 

 

まず前回の復習ですが、手を通っている3つの神経の支配領域の説明です。

手掌側は橈骨神経が母指の付け根部分、正中神経は母指、示指、中指、環指(薬指)の半分まで、尺骨神経は環指の小指側半分と小指です。

手背側は母指から環指の半分までの手の甲から各指の半ばまでが橈骨神経、母指から環指までの指先が正中神経、環指の半分と小指側が尺骨神経です。

これらを踏まえてこの3つの神経が障害を起こした際、どのような手の変形が起きてくるのか見ていきましょう。

 

※手の変形図は当方で変形の際の形を真似たものです。

 

(1)下垂手

 

 

下垂手は橈骨神経麻痺の時に起きる変形です。

手首を反らしたり(背屈)、指を伸ばしたりすることができなくなります。

橈骨神経は主に前腕と指の伸筋を支配しているので、橈骨神経に障害が起こると、このように伸展運動障害が起き手首が垂れ下がります。

下垂手は主に上腕中央部の橈骨神経が障害された時に起こりますが、橈骨神経が前腕部分(後骨間神経)で障害された時は手首は垂れ下がらず、指のみ伸展不可となり、これを『下垂指』とも言います。

 

(2)猿手

 

 

手根管症候群などの正中神経障害の際に起きる手の変形です。

特徴は母指球と小指球の萎縮です。

特に母指は内転位を取って内側に入り、小指との対立動作や示指とのOKサイン(丸サイン)をつくることが難しくなります。

 

(3)鷲手

 

 

尺骨神経障害の際にみられる手の変形です。

手背側の骨間筋や虫様筋が萎縮する為手背側の筋肉に引っ張られて、中手指節関節(MP関節)が背屈し、指節間関節が屈曲します。

 

このように私達の手は、多くの筋肉と複数の神経によって支配されているので、阻害される個所によって変形の形が異なってきます。

どれか1つの筋肉が萎縮しても手首や指の動作に影響が出てくるので、手は非常にデリケートなつくりをしていると言えます。

関連する記事

©2020 relief, Inc.
TOP