体の知識
体の知識(14)肩関節インピンジメント症候群
2020/04/11
こんにちは。
神戸元町リリーフ整体院の神戸です。
今日は肩の痛みの原因の1つである肩関節インピンジメント症候群を説明します。
皆さんは肩を動かして痛みが走った時、『五十肩』や『腱板損傷』を思い浮かべると思いますが、インピンジメント症候群もまた、肩の痛みによくある症状の1つです。
インピンジメント症候群のインピンジメントとは『衝突』を意味します。
肩を挙げた際や捻った時に、上腕骨の骨頭の肩甲骨、特に肩峰の下部が衝突します。
それによって、引っ掛かり感を感じて痛みが走ります。
(南江堂『柔道整復学・理論編改訂第5版』より改編)
肩甲骨の肩峰と上腕骨頭の隙間には、回旋筋腱板の棘上筋腱と肩峰下滑液包(関節包)が存在します。
滑液包とは、関節の周囲に存在する膜で中に滑液を含んでいます。
関節の動きを滑らかにする役割をもっています。
この肩峰下滑液包や棘上筋腱が、肩関節の運動、特に投球動作の時のような肩関節の動きを行う際上腕骨に当たってこすられます。
そしてそのような動作が続くと、肩峰下滑液包や棘上筋腱は炎症や摩耗を起こし、動作時に痛みを発するようになります。
また、加齢による棘上筋腱の劣化などでも発生します。
通常、痛みが出始めたら安静にして経過を見守りますが、インピンジメント症候群が重症化すると腱板の損傷や断裂、滑液包の線維化など肩峰下にある筋肉や腱、組織が不可逆性の変性を起こす可能性があるので、痛みが治まらない、または一度治まった痛みが再発する、など症状の改善が見られない場合は早めに医師に通われることをお勧めいたします。