体の知識(17)上腕の筋肉
2020/05/17
こんにちは。
神戸元町リリーフ整体院の神戸です。
最近はプライベートなコラムばかり書いていたのですが、今日は久しぶりに座学に立ち返っていきたいと思います。
前回『肘関節』の説明をしました。
肘の動きには屈曲と伸展。そして前腕の回旋運動があるのですが、これらの動きは上腕の筋肉と前腕の筋肉から成り立っています。
今日はその上腕の筋肉の方から述べていきます。
上腕の筋肉は前面に上腕二頭筋、その深層に烏口腕筋、上腕筋があり、後面には上腕三頭筋、肘筋が存在しています。
上腕の主な筋肉である二頭筋と三頭筋は肩甲骨から起始し、前腕の橈骨及び尺骨で停止している為、肘だけではなく、肩関節の動きにも関与しています。
それでは、これらの筋肉を見ていきましょう。
(1)上腕前面の筋肉
(参考画像は『骨格筋ハンドブック 南江堂』より一部修正しました)
・上腕二頭筋
二頭筋ということで、筋腹が長頭と短頭の2つあります。
長頭は肩甲骨の関節上結節から起始し、肩関節包内の結節間溝を腱が通って筋腹となり、橈骨粗面に停止します。
短頭は肩甲骨の烏口突起から起始し、上腕中央部よりやや下方で長頭の筋腹と合流します。
いずれも、肩甲骨に付着している為肩の動きにも働いており、上腕二頭筋の作用は、肩関節の屈曲、肘関節の屈曲及び前腕の回外です。
・烏口腕筋
烏口腕筋は上腕二頭筋の深層にある筋肉です。
この筋肉は肩甲骨の烏口突起から起始するのですが、停止部は上腕骨です。
従って、烏口腕筋は肘の動きには関与していません。
烏口腕筋の作用は肩関節の屈曲、内転の補助です。
・上腕筋
上腕筋も上腕二頭筋の深層にあります。
上腕筋は上腕骨前面の下部から始まり、尺骨粗面(尺骨)に停止します。
肩関節の動きには作用しておらず、その働きは肘関節の屈曲です。
(2)上腕後面の筋肉
・上腕三頭筋
上腕三頭筋はその名の通り、筋腹が長頭、外側頭、内側頭の3つある筋肉です。
このうち、長頭だけが肩甲骨の関節下結節から起始している為、肩の動きに関係しています。
外側頭は上腕骨の外側面から、内側頭は上腕骨の後面からそれぞれ起始し、長頭と共に合流して肘頭に停止します。
上腕三頭筋の作用は肩関節の伸展、及び肘関節の伸展です。
上腕三頭筋は上腕二頭筋とは逆の作用を持つ拮抗筋です。
・肘筋
肘筋は上腕骨下部の外側上顆から起始して肘頭につく小さな筋肉です。
この筋肉も、三頭筋同様、肘関節の伸展に働いています。
簡単でしたが、以上が上腕の筋肉です。
上腕の筋肉は肩甲骨に付着している為、肩が疲れてくるとこれらの筋肉にも影響が出てきます。
筋肉が疲労すれば腕が疲れる原因となります。
日頃から肘の屈伸運動や前腕の回旋運動を含めて二頭筋及び三頭筋のストレッチなどを行っておくのも、自己ケアの為に有効な手段の1つです。