体の知識(60)股関節の筋肉(2)
2023/05/30
こんにちは。
神戸元町リリーフ整体院です。
今週は雨ですね。
気温はそれほど高くない筈なのに湿気でやたら蒸し暑く感じます。
湿度も体に影響を及ぼす一因となるので、これから梅雨に入ったら体調管理には気をつけていきましょう。
さて、今日は座学です。
現在取り扱っているのは骨盤の筋肉です。
前回は骨盤前面の筋肉を見ましたので、今回は後面の筋肉を見ていきましょう。
※骨盤後部浅層の筋肉
(『骨格筋ハンドブック』原書第3版(南江堂)より改編)
・大殿筋
骨盤後部の一番浅層にあるのが大殿筋です。
起始は腸骨外面、仙骨及び尾骨の後面と臀部全体を覆う形で着いており、大腿骨殿筋粗面、腸脛靭帯へと停止します。
腸脛靭帯は骨盤から脛骨(すねの骨)にかけて伸びる最長の靭帯で、腰と膝の結びつき、股関節の動作を安定させています。
大殿筋の主な作用は股関節の伸展です。
また、股関節の外旋にも働いています。
大殿筋は座位では最も上半身の荷重がかかる個所なので、座りすぎの疲れが出やすいところです。
・大腿筋膜張筋
骨盤後部側面についているのが大腿筋膜張筋です。
起始は骨盤の上前腸骨棘から始まり、腸脛靭帯に停止します。
作用は股関節の屈曲、内旋、外転です。
また膝関節の伸展にも働いてます。
O脚のような足の歪み、走り過ぎなどで太腿の外側が硬くなると、この筋肉も疲労します。
・中殿筋
大殿筋の下にある筋肉です。
起始は腸骨外側面、大腿骨の大転子に停止します。
作用は股関節の外転です。
この筋肉も上半身の支えとして重要な役割を果たしており、腰痛や腰の不調などでよく固まる筋肉のひとつです。
※トレンデンブルグ歩行
(『整形外科学 改訂第4版』(南江堂)より改編)
中殿筋の筋力が低下すると歩行にも影響が出ます。
上の図のように、骨盤の水平位が崩れ筋力低下がある患側が上がって、筋力低下の無い健側が下がります。
このような症状を『トレンデンブルグ徴候』、その歩き方を『トレンデンブルグ歩行』と言います。
如何でしょうか。
骨盤背面の筋肉は股関節の動きや歩行に重要な役割を果たしています。
これらの筋肉は骨盤筋の中でも重要なものですが、大殿筋の深層には他にもまだ股関節の動きに関わる筋肉がたくさん存在します。
次回はその深層筋を見ていきましょう。