創傷治癒の仕組み
2021/04/09
こんにちは。
神戸元町リリーフ整体院です。
ちょっと間が空いてしまいましたが、今月も引き続き皆さんにあれこれ知識になることをコラム記事として提供していきたいと思います。
今日は少しテーマを変え、『創傷の治癒』について述べていきます。
皆さんは日々の日常生活の中で一度くらいは怪我をしたことがあると思います。
医学用語ではこの怪我のことを『創傷』といいます。
創傷は皮膚、筋肉などの組織、内臓、そして骨など様々な人体部位の損傷や欠損を意味します。
では人間の体は一度傷ついたらその傷をどのようにして再生させていくのか。
見ていきましょう。
※創傷の治癒過程
1.出血と血液凝固
今回は皮膚の創傷治癒を説明していきます。
皮膚は大きく分けると一番外部が表皮、その内側が真皮と二重構造になっています。
創傷部がこの皮膚組織を損傷して出血します。
やがて、出血部分に血小板が集まって粘着し始めます。
粘着した血小板は次第に固まっていき、血小板血栓が形成されます。
2.肉芽組織の形成
血小板血栓は血餅となって固まります。
いわゆる出血後の瘡蓋(かさぶた)です。
血餅の下層には線維芽細胞や大食細胞、炎症細胞などが集まり、肉芽組織が形成されます。
3.創傷部の瘢痕化
やがて血餅が取れ創傷部の表皮の再生が始まります。
肉芽組織は線維化が進行し、次第に硝子化。
最終的に瘢痕組織(はんこんそしき)となります。
この瘢痕組織が『傷跡』です。
瘢痕組織はコラーゲン線維で形成されており、通常の受傷前の組織と比較して弾力性に乏しいという特徴があります。
従って、後々筋のバランスを崩して関節可動域に制限がかかってきたり、痛みが出たりする遠因にもなり得ます。
問診をしていると、時折腰痛や肩凝りがひどいお客様の中からスポーツや事故などの既往歴を聞くことがあります。
受傷時、受傷個所の固定やリハビリなど正しい治療過程を経なかった人ほど、後々この古傷による体への影響は顕著です。
特によくあるのは足首の捻挫です。
たかが捻挫と思って放っておくと、後々足首の可動域に影響が出てそこから足腰の姿勢バランスを崩すことになりますので、受傷した際は医師の診断を仰ぎちゃんと治療していくことをお勧めします。