体の知識(39)頸部の筋肉(1)
2021/03/25
こんにちは。
神戸元町リリーフ整体院です。
今日は座学です。
前回は頸椎の構造及び首の動きを見てきましたので、今回は頸部の筋肉を見ていくことにしましょう。
(1)頸部前面の筋肉
ⅰ 浅層筋
・広頚筋
首の一番浅層にある皮筋です。下顎骨下部から鎖骨を超える辺りまで走っています。
前頸部の皮膚を緊張させるのはこの筋肉です。
ⅱ 深層筋
・舌骨筋群
※『骨格筋ハンドブック 原書第3版』(南江堂)の図を改編
舌骨筋群は舌の運動に関わる筋肉です。
顎二腹筋、茎突舌骨筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋は舌骨上筋群と呼ばれ、下顎を下に引く開口運動、下顎固定時は舌骨を上に引き上げます。
また胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋は舌骨下筋群と呼ばれ、舌骨を引き下げます。
・椎前筋群
椎前筋群は頭部と頸部の前屈(屈曲)に働く筋肉です。
頸長筋、頭長筋、前頭直筋、外側頭直筋があります。
少し分かりにくいかもしれませんが、頭長筋、前頭直筋、外側頭直筋が停止しているのは後頭骨です。
(2)頸部外側の筋肉
・斜角筋群
斜角筋群は両側が同時に働くと頸椎の前屈(屈曲)、片方だと頸椎の側屈、回旋に作用します。
また、呼吸の吸息時補助筋としても機能します。
前、中、後の斜角筋があります。
前と中斜角筋は頸椎の横突起から第一肋骨に、後斜角筋は下部頸椎の横突起から第二肋骨に付着しています。
いずれも緊張しやすい筋肉です。
特に前と中斜角筋の間(斜角筋隙)には、鎖骨下動脈と腕神経叢が通っており、斜角筋群が緊張が激しいとこれらを圧迫することになります。
そうなると首や肩、腕の痛みや感覚障害などが発生する(斜角筋症候群)原因にもなってきます。
・胸鎖乳突筋
首筋の筋肉です。
両側が働くと頸部の屈曲。
片方が働くと、同側の側屈、反対側の回旋に作用します。
斜角筋群同様吸息時補助筋としても機能します。
この筋肉も首がしんどい時、疲労しやすい筋肉です。
如何でしょうか。
首は前面や外側だけでもたくさんの筋肉によって支えられています。
特に猫背姿勢が長く首が疲れている人は、斜角筋群や胸鎖乳突筋が緊張しやすいです。
これらの筋肉が疲れると、首の動きの可動域が減ったり、呼吸も浅くなります。
これらの筋をアプローチしていくことは大事ですが、特に斜角筋は神経と動脈が隙間に走っている非常にデリケートな筋肉です。
扱う際は注意しましょう。