体の知識(26) 手の障害その1 手根管症候群
2020/08/11
こんにちは。
神戸元町リリーフ整体院です。
今日は久しぶりに座学を説明していこうと思います。
今回のタイトルは『手根管症候群』です。
皆さんは『手根管症候群』という言葉を聞いたことはありませんか?
手根管症候群は手掌や指先の感覚がおかしくなったり、手首の運動がしにくくなることがあります。
感覚や運動に障害が出てくるということは神経の問題が関わってきているということです。
人間の掌は橈骨神経、正中神経、尺骨神経の3つの神経が通っています。
第1指の付け根あたりが橈骨神経、第2指~第4指の半分までが正中神経、第4指の半分と第5指の範囲が尺骨神経の支配領域です。
このうち、手根管症候群に影響してくるのは正中神経です。
手根管とは手首の間にある8つの手根骨と、横手根靭帯(屈筋支帯ともいいます)の間にある空間のことです。
この手根管の中を正中神経が通っているのです。
また手根管内には指の浅・深屈筋腱も通っています。
正中神経が圧迫される原因は、手首の曲げ伸ばしの反復や手首に負担のかかるような動作です。
このような動作が続くと横手根靭帯が肥厚したり、屈筋群の腱に炎症が起こったりしてそれらが原因で正中神経も圧迫されるのです。
手根管症候群が起こると、正中神経の支配領域である掌や第1~4指までに痺れや痛みが出てきます。
症状が進行すると、母指球の筋肉が萎縮していき、また親指と人差し指のつまみ動作もうまくできなくなります。
結果、ボタン掛けがしにくくなったり、コップを持ちにくくなるといったような日常生活の動作にも支障が出てきます。
※治療法
基本は手首の過度な使いすぎをやめて休ませる保存療法です。
痛みや痺れが軽減されてきたらテニス肘や野球肘のコラムで説明した、手首の底屈、背屈を中心とした前腕のストレッチを無理のない範囲内で行い手根管内を通る屈筋腱を柔らかくすることで、負荷を軽減します。
長期にわたって痛みや痺れが取れない場合は、整形に行って一度診てもらってください。