エネルギー代謝と運動
2020/02/11
こんにちは。
神戸元町リリーフ整体院の神戸です。
先日は運動不足が体に起こす影響について述べました。
私達が体を動かすことは、体に起こる不健康へのリスクを防止していく上で必要なことなのですが、体を動かすということは、エネルギーの消費が加わるということです。
今日は人間の体のエネルギー消費について、説明していこうと思います。
(1)基礎代謝
完全な安静時のエネルギー代謝を基礎代謝と言います。
接触後12~14時間、20~25℃の室温の下、リラックスした状態で放出される必要最低限のエネルギー量です。
一般に、10代をピークに加齢が重なるにつれて、基礎代謝量は低下していきます。
基礎代謝量の計算式はいくつかありますが、厚生労働省の計算式が一番簡単なので、表示しておきます。
基礎代謝量=基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日) × 体重(kg)
例えば、年齢25歳女性。体重50kgの基礎代謝量を計算すると、
22.1×50=1105(kcal/日)
となります。
基礎代謝基準値の参照図は下に載せておきますので、ご自身の基礎代謝量を計算する際にご利用ください。
※基礎代謝基準値参照図
性別 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
年齢 | 基礎代謝基準値 | 基礎代謝基準値 |
1-2 | 61 | 59.7 |
3-5 | 54.8 | 52.2 |
6-7 | 44.3 | 41.9 |
8-9 | 40.8 | 38.3 |
10-11 | 37.4 | 34.8 |
12-14 | 31 | 29.6 |
15-17 | 27 | 25.3 |
18-29 | 24 | 22.1 |
30-49 | 22.3 | 21.7 |
50-69 | 21.5 | 20.7 |
70以上 | 21.5 | 20.7 |
(2)睡眠代謝
文字通り、睡眠をとっている時のエネルギー代謝です。
睡眠代謝量は基礎代謝量よりも低く、平均的には基礎代謝の約90%です。
(3)運動時のエネルギー代謝
運動時のエネルギー代謝は筋肉(骨格筋)の活動によって起こります。
筋活動はアデノシン三リン酸(通称ATP)という物質がエネルギーとなって行われるのですが、筋線維中のATPは少なく、強い運動を行うと、即座に消耗してしまいます。
従って、運動が持続する間ATPは常に筋細胞に補充される必要があり、その作業を行っているのが、クレアチンリン酸機構、乳酸性機構、好気性エネルギー産生機構の3種のエネルギー産生の為のシステムです。
これらは運動している持続時間によって、主に働く機構が決まっており、クレアチンリン酸機構は10分以内、乳酸性機構は10~25分。好気性エネルギー産生機構は25分以降に主なエネルギー産生の役割を果たします。
また、ATP産生の為に必要な栄養素として、糖質、脂質、タンパク質があげられます。
特にエネルギー源として大きな働きをしているのが糖質と脂質です。
糖質は速やかに利用できるエネルギー源であり、脂質はいわゆる中性脂肪のことですが、貯蔵性の高いエネルギー源です。
従って、短時間の激しい運動では糖質からクレアチンリン酸機構などを通してATPが産生され、好気性エネルギー産生機構が必要とされるような長時間の運動になってようやく脂質が利用されます。
また、タンパク質は糖質と脂質がエネルギー要求量に追いつかない際に利用されます。
簡単に書きましたが、このようなしくみで運動のエネルギー代謝が行われている為、例えばダイエットなどを行う際、体に溜まった中性脂肪を消化したければ、長時間の持続的な運動が必要となってくるのです。