最近の症例・・・腕の痺れその2
2021/05/23
こんにちは。
神戸元町リリーフ整体院です。
今日は前回説明した『腕の痺れ』に対する続きを述べていこうと思います。
先日は腕の痺れには橈骨神経支配の筋肉の弱体化が原因の1つにあると言いました。
私達は肘及び手首を曲げる運動が日常生活の中で多いので、肘を伸ばして手首を反らす、また掌を上にする回外運動を行う機会が少ないのです。
その結果前腕屈筋群の筋力の方が勝り、前腕屈筋群は下記の図のように上腕骨下端の内側上顆と言うところから発生しているので、中でも円回内筋の作用により肘伸展時上腕骨ごと内巻きになりやすくなります。
これが巻き肩の原因の1つとなります。
しかし腕の痺れはこれだけが原因とは限りません。
今日は『神経』の側面から見てみましょう。
※橈骨神経の絞扼
『絞扼』というのは固まった筋肉によって圧迫されるという意味です。
痺れや痛みなどは柔軟性や筋力不足が原因で筋肉が緊張し過ぎてその中の神経を圧迫することで起きることがあります。
橈骨神経の主な絞扼個所をまとめてみました。
1.腋窩部での絞扼
腋窩とはいわゆる脇の下です。腋窩には橈骨神経を始めとした他の腕の神経や腕に伸びる動脈静脈など様々な重要器官が通っています。
従って腋窩が固まると腕への循環にも影響してきます。
2.上腕部での絞扼
図のように橈骨神経は腋窩から上腕骨へ下がると一度上腕骨中部の後方へ回ってその後外側から肘関節へと走行します。
この上腕骨後方から外側へ走る個所を『橈骨神経溝』というのですが、その部分が絞扼されやすい部位となります。
3.前腕部での絞扼
肘関節を跨いだ後、橈骨神経は前腕外側上部で枝分かれします。この部位にある筋が『回外筋』です。
手首を反らしたり、掌を返す回外運動時に痛みや痺れが出ます。
如何でしょうか。
痛みや痺れを取る為の治療において、愁訴部位の筋肉の状態を見ることは勿論大事ですが、その部位に存在する神経の走行も頭に入れておくことが大切です。
これらのような人体の解剖学的知識を頭でイメージできれば、患者の痛みや痺れの原因がどこから来ているのか。
なんとなく見当がついてきます。