体の知識(40)頸部の筋肉(2)
2021/04/17
こんにちは。
神戸元町リリーフ整体院です。
今日はまた座学の方をやっていきたいと思います。
前回の座学では首の前面と側面の筋肉を見てきました。
今回は残りの首の後ろ側の筋肉を見ていきましょう。
※頸部後方の筋肉
(1)浅層の筋肉
●僧帽筋
『骨格筋ハンドブック 原書第3版』(南江堂)の図を改編
頸部後方の浅層にあるのは僧帽筋です。
ただし、僧帽筋の作用は頸椎を直接動かすものではなく、肩甲骨の動きに作用しています。
・僧帽筋上部・・・肩甲骨の挙上(引き上げる)
・僧帽筋中部・・・肩甲骨の内転
・僧帽筋下部・・・肩甲骨の下制(引き下げる)
肩の解剖学のところでも説明したと思いますが、復習ついでに僧帽筋の作用を再記載しておきます。
(2)深層の筋肉
●板状筋
板状筋は頭板状筋と頸板状筋の2筋によって構成されます。
・頭板状筋・・・頭と首、脊柱の伸展、及び側屈に作用
・頸板状筋・・・首、脊柱の伸展及び側屈。
●後頭下筋群
後頭下筋群は頸部の深層にある筋肉で、上頭斜筋、大後頭直筋、小後頭直筋、下頭斜筋の4つの筋肉によって構成されています。
各筋の作用は下記の通りです。
・上頭斜筋・・・頭部の伸展に作用。
・大後頭直筋・・・頭部の伸展、同側への回旋。
・小後頭直筋・・・頭部の伸展。
・下頭斜筋・・・環椎の回旋、頭部の同側への回旋。
このように後頭下筋群は主に頭部の伸展と同側への回旋作用として働いています。
●脊柱起立筋群
脊柱後方の深層筋です。
頭及び首の伸展、側屈に働きます。
脊柱起立筋は後日、脊柱の筋群で説明します。
●横突棘筋
脊柱起立筋の更に深層筋です。
同じく頭及び首の伸展、側屈に働きます。
横突棘筋も後日、脊柱の筋群で説明します。
まとめとして、頸部背面の筋肉は頸部の伸展及び側屈、同側への回旋に働き、その作用は脊柱起立筋など脊柱全体の筋肉によるところが大きいです。
また、首がしんどい人は首を動かしにくい、よく後頭と首の付け根がだるいという人が多いです。
そういう人は後頭下筋群や脊柱起立筋が硬くなっています。
日常生活の中で、頸部は屈曲(下に俯く)動作が多いですから、伸展筋であるこれらは頭の重量で引っ張られてしまうんですね。
日頃の姿勢不良の影響を受けやすい筋肉なのです。